新企画として、特定の筋肉にスポットを当てた記事を書いてみます。
今回は歩く時にとても大切な筋肉、中臀筋(ちゅうでんきん)についてお伝えします。
皆さんは普段より倍以上歩いた後や久しぶりにサッカーなどをした後にお尻の少し外側が筋肉痛になったことはありませんか?
まず、中臀筋の場所を示します。
出典:Visible Body https://www.visiblebody.com/ja/
このように中臀筋はお尻の上側にある腰骨から始まり、大腿骨(太ももの骨)の外側で終わるやや小さめの筋肉です。
大臀筋は上の図の左側にのみある「お尻」の大きな筋肉であるのに対して、中臀筋は大きな大臀筋の裏にある隠れキャラと言えます。
ただしこの隠れキャラが非常に大切なのです。
上半身と下半身のつなぎ目である「股関節」に注目すると、
大臀筋:太ももを後ろに引く筋肉(股関節を伸展する)
中臀筋:太ももを外側に動かす筋肉(股関節を外転する)
となります。(図を参照ください)
歩く際には大臀筋で後ろに蹴る力が大切なのは分かりやすいと思いますが、中臀筋はなぜ歩く時大切なのでしょうか?
それは、歩く時は必ず『片足立ち』をするからです。
もし、中臀筋が弱いとどうなるでしょうか?
この図のように、片足を上げた時に骨盤が片側に傾いてしまいます。これでは歩く時に体がグラグラしてしまい、早く歩くことができずエネルギーも大きくロスしてしまいます。
中臀筋は大きくはない筋肉ですが、歩き方に大きな影響を及ぼすことが理解できると思います。
日々病院で診療していると、多くの高齢者や足の麻痺がある人でこの中臀筋の筋力が低下していることに気づきます。
中臀筋は意識して鍛える必要がある筋肉の一つです。
2つの中臀筋の筋トレ方法について解説します。
①横向きに寝て行う中臀筋の筋トレ
・横向きになり、下側の足は曲げて安定させてください
・上側の足を上に5秒かけて天井の方へ上げ、5秒かけて下ろします。
この時、上側の足が前に曲がらないよう、またつま先が天井を向かないよう注意してください(筋トレ効果が落ちます)。
より効果を高めるには、ややうつ伏せに近いぐらい横向きで寝て、足をまっすぐ天井に上げること、踵を天井に向けることを意識してみてください。
10回1セット、慣れてきたら20〜30回1セットで行ってみてください。
意外とお尻の外側が疲れると思います。
ここが中臀筋です!
出典:すぐに使える!リハビリのイラスト集 https://ribabili-illustration.com/
②立って行う中臀筋の筋トレ
・立って、支えになるテーブルなどに両手をつきます。
・片側の足を5秒かけて外側に動かし、5秒かけて戻します。
先ほどと同様、外側+やや後ろ側に動かすこと、踵から動かすことを意識してみると効果が高まります。
10回1セット、慣れてきたら20〜30回1セットで行ってみてください。
ちなみにこの立って行う中臀筋の筋トレは地面につけている側の筋トレにもなっています。
出典:すぐに使える!リハビリのイラスト集 https://ribabili-illustration.com/
中臀筋は比較的小さな筋肉ですが、これまで書いた通り歩く時に一歩一歩使っているため長く歩いていると疲れやすい筋肉でもあります。
ストレッチも行って柔らかい、疲れにくい中臀筋をゲットしましょう!
・床に座り、中臀筋を伸ばす側(左とします)の膝を曲げる
・膝を曲げた側(左)の足を反対側(右)の足とクロスさせる
・上半身を膝を曲げている足と同じ側(左)にひねる
左側の臀部や体幹が伸びていることを感じてください。
20秒〜30秒程度、じんわりと伸ばすことがポイントです。
出典:すぐに使える!リハビリのイラスト集 https://ribabili-illustration.com/
最後に
筋トレもストレッチも、目標の筋肉を意識することが大切です。
長くきれいに歩けるように、運動した際に筋肉痛で困らないために、ぜひ中臀筋を意識してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。