コロナワクチン接種と三角筋 〜リハビリ科医的視点から〜

時事コラム

2021年2月、勤務先で新型コロナウイルスワクチンの接種を受けました。

リハ医的目線でワクチン接種について解説したいと思います。

 

・筋肉注射と三角筋

新型コロナウイルスワクチンの投与方法は筋肉注射です。

筋肉注射とは名前の通り筋肉の中にワクチン(液体)を注射するということです。

筋肉注射では身体の中で大きな筋肉、かつ血管や神経を傷つけにくい部位に注射することが推奨されています。

そこで多くの筋肉注射では、「三角筋」という筋肉に注射します。

三角筋は肩をとりまく比較的大きな筋肉で、前部、中部、後部の3つの部位に分かれます(実際にはつながっています)。

肩の前側にあるのが三角筋前部線維

肩の外側にあるのが三角筋中部線維

肩の後ろ側にあるのが三角筋後部線維

です。(図を参照ください)

出典:Visible Body

 

注射する人は上記の三角筋中部線維を狙います。

出典:厚生労働省YouTubeチャンネル 「医療従事者のための新型コロナウイルスワクチンを安全に接種するための注意とポイント」

さて、三角筋は肩の運動を司る筋肉です。

中部線維は外側にあり、腕を外側に上げる際に働きます。この動きを専門的には「肩の外転」といいます。

出典:Visible Body

 

ワクチン接種後、注射した部位の痛みが出ることが多く報告されており、実際私も痛みました。

1回目の注射後丸1日は注射された左肩の外転が90度までしかできませんでした。

つまり、腕が外側には真横までしか上がらない状態でした。

注射から24時間経つと痛みは徐々に消え、翌々日には肩は元通り180度外転できるようになりました。(肩の外転は180度が正常です)

さて、ここからはワクチン注射の様子について、筋肉以外の話をします。

 

・注射前日までの流れ

職員への注射が始まる2週間ほど前に、にわかに注射が始まることが職員に伝達されました。

注射翌日は副反応の懸念からできるだけ勤務を控えることを推奨されたため、医師の多くは金曜日を希望しました。

他の職種は勤務日程の調整などを行い、曜日によって極端な人数の偏りがないように調整されたようです。

 

・注射当日の様子

注射は院内の会議室で行われました。

問診は医師(2名体制)、注射は看護師(2名体制)、薬剤師、受付に事務の方が配置されていました。

物品としては注射関連のものに加えて救急カートなどの準備されていました。

インフルエンザと同じように事前に問診票を記載し、医師に確認されます。

そこを通過すると奥にいる看護師に注射をしてもらいました。

注射後は15分間会議室の奥にあるスペースでイスに座って過ごし、体調に変化がないか確認しました。

この待ち時間、何もやることがないため何か作業できるものを持っていくと良いかもしれません。

全国的にもかなり早いタイミングで接種が始まったこともあってか室内にはそれなりに緊張感がありましたが、テキパキと注射をしていく看護師さんが印象的でした。

 

・副反応について

上にも書いた通り、1回目の注射後は左三角筋中部線維に痛みを感じました。この部分に痛みがあると高いものを取ったり重いものを持つことがしづらくなります。また寝返りも痛みを伴いやすいです。

2回目の注射は注射の時点で1回目の注射時より強い痛みを感じました。ただ、その後は注射部位の痛みはほとんどありませんでした。

2回目は脇のリンパ節が腫れている感じがあり、注射翌日1日は脇にものが挟まっているような感覚で脇を閉めると軽い痛みがありました。心配していた強いだるさや寒気、発熱はありませんでした。

 

今後ワクチンを接種される方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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