回復期病棟の多職種カンファレンス

今日は私の勤務先で日々行われているスタッフ間のカンファレンス(話し合い)についてお伝えします。

病院では患者さんから見えないところで日々沢山のカンファレンスが行われています。

参加者はカンファレンスの目的によって様々で、医師だけ、看護師だけ、療法士だけといった1つの職種だけで行われるものと、「多職種カンファレンス」と呼ばれる複数の職種が合同で行うものがあります。

回復期病棟では医師、看護師、療法士など様々な職種が1人の患者さんに深く関わることが多く、入院期間も平均2〜3ヶ月と長いため、多職種カンファレンスは非常に大切です。

今回はその「多職種カンファレンス」のやり方についてお伝えします。

カンファレンスは事前準備が非常に大切です。

私の勤務先では前日までに各職種がカンファレンスシートに記入します。

記入する内容は

医師:ICF(国際生活機能分類) 

看護師、療法士、薬剤師、栄養士:現状の報告、課題、目標(見込み)などを記載します。

医師、療法士は入院が必要と思われる今後の期間も記載します。

ICFについては別の機会で詳しく解説したいと思いますが、簡単に表現すると「患者さんを多面的に捉えるためのツール」です。

疾患(病気)だけでなく、身体の機能や構造(麻痺がある、切断しているなど)、活動(歩ける、食事が口から取れるなど)、参加(家族や社会の中での役割)、環境因子(自宅の環境、家族など)、個人因子(希望:(例)○月に退院して孫の結婚式に出たい、など)といったさまざまな面から患者さんを眺めています。

各職種の司令塔として機能する医師が、患者さん、患者さんの家族、各職種から情報を得ながらICFを作成します。

もう一つ準備する資料があります。

それが「FIM経過表」です。

FIM(機能的自立度評価表)とは日常生活における活動、すなわち食べる、服を着替える、排泄をする、歩く、理解するといった様々な要素をそれぞれ点数をつけてどの程度自立しているかを表すものです。

詳しくはまた改めて記事にしたいと思いますが、例えば食事を看護師・介護士などに全て口に運んでもらって食べている場合は1点(最低点)、全て自分の力で食べられている場合は7点(最高点)になります。間の2〜6点は手伝う割合や時間のかかり方によって点数がつきます。

入院した時は全部手伝ってもらっていた方が、時間をかけたリハビリを経て退院する頃には何も手伝いが要らなくなる、ということはよくあります。

その変化を関わる全員が認識するために、FIMは大切です。

また、FIMを毎月つけることで、どこの部分を伸ばせそうか(自立に近づけられるか)という作戦を練ることもできます。それによってリハビリのプランも変わってくることがあるのです。

カンファレンスシートとFIM経過表を元に、カンファレンスでは患者さんの身体の機能(麻痺など)、活動(病棟で歩いているかなど)、参加(主婦として家事をまたやりたいなど)、希望(◯月に退院して孫の結婚式に出たいなど ICFでは個人因子に含まれる)、自宅環境、家族のサポート体制・介護保険などの公的なサポート体制(ICFでは環境因子に含まれる)といった多岐に渡る内容を共有し、作戦を立てています。

1人の患者さんについてのカンファレンスは1ヶ月に1回開かれるため、次回のカンファレンスまでに達成したい短期目標と、それとは別に退院する頃までに達成したい長期目標を各職種がそれぞれ記入します。

最後に、架空の症例についてシートのICFの部分とFIM経過表を書いてみました。

いかがでしたか?

回復期病棟の裏側について、詳しく書いてみました。

リハビリを受けている方やスタッフの方の参考になれば幸いです。

ご質問などあれば遠慮なくお尋ねください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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