おすすめの回復期リハビリテーション病棟とは?

みなさんこんにちは。
今日はよくいただく質問である「おすすめの回復期リハビリ病棟はどこですか?」にお答えしたいと思います。


・回復期リハビリ病棟とは?
・対象となる疾患(病気)・入院できる日数は決まっている
・回復期リハビリ病棟選びのポイント① 自宅からの距離
・回復期リハビリ病棟選びのポイント② 入院料
・回復期リハビリ病棟選びのポイント③ 自身の疾患に対するリハビリの実績があるか


・回復期リハビリ病棟とは?
まず、回復期リハビリ病棟について説明します。
病気や怪我の治療のため入院する病院が「急性期病院」です。
急性期病院である程度状態が安定したあとも、後遺症や体力の低下などが残り、自宅などに戻ってからの生活を少しでも元に近づけるためリハビリが必要だと判断された方が、回復期リハビリ病棟に移ることができます。
ただし、回復期リハビリ病棟は以下に書いている疾患(病気)の方のみが入ることができる病棟でもあります。

・対象となる疾患(病気)・入院できる日数は決まっている
こちらのサイトに詳細は記載されていますが、大きく以下の疾患が対象となります。
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後若しくは手術後の状態
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折又は2肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態

大きく分けると、
・脳卒中や脊髄損傷などの神経系の病気で後遺症が残っているもの
・背骨・股関節などの体の中でも特に重要な部分の骨折、神経や靭帯を痛めたもの
・手術や肺炎などの大きな病気の中で体が弱ってしまった状態
が回復期リハビリテーション病棟に入院できる患者さんとなります。

また、入院できる日数の上限も決まっています。こちらに記載されている日数をご確認ください。
細かく分かれていますが、大きなポイントとしては
脳卒中、脊髄損傷など神経系の病気:150日〜180日骨折後
手術後など:60〜90日という2つのグループに分かれます。

これは、脳卒中などによる麻痺の回復は骨折後などよりも一般的に時間がかかるとされているためです。
ただし、一般的に脳卒中による麻痺は発症から3〜6ヶ月程度で回復の伸びが緩やかになると言われており、それを超えて回復期リハビリテーション病棟に入院することは稀です。

ただし実際には入院日数の上限を超えてもなおリハビリテーションが必要なことが多く、その場合は自宅や老健施設などで介護保険や医療保険を利用したリハビリテーションを継続することが多いです。
自宅や老健施設で受けるリハビリテーションは回復を目指すものというより、回復した後、その機能が低下しないように努める「維持」を目標としたものが一般的です。
1日・1週間あたりの時間としても回復期リハビリテーション病棟以上にリハビリが受けられるところはほとんどないと言えるでしょう。


・回復期リハビリ病棟選びのポイント①: 自宅からの距離
入院先を選ぶ上で、様々な条件を考える必要があると思います。
まず重要なポイントの1つ目に挙げたのは「自宅からの距離」です。
現在はコロナの影響で面会ができない医療機関がほとんどですが、それでも入院している患者さんの衣類や生活用品を届けたり、医師との話し合いに参加したりと、ご家族は何かと病院に出向く機会が多いものです。
特に回復期リハビリテーション病棟は1ヶ月から、長いと6ヶ月(180日)入院することもあり、自宅からあまりに遠い病院を選択するのはお勧めできません。


・回復期リハビリ病棟選びのポイント② :入院料
多くの回復期リハビリテーション病棟では1日2時間から3時間のリハビリテーションを行なっています。
その中でも、土日もリハビリテーションを行なっているどうか、や職員の体制については制度によって異なっています。
それを決めているのは「回復期リハビリテーション入院料」という決まりです。
入院料というのは病院に患者さんが入院していることで病院に入るお金のことで、体制が整い実績が高いほど入院料は高くなるように設定されています。
最新の入院料の決まり(施設基準)についてはこちらを参照してください。
回復期リハビリテーション入院料●のうち、数字が小さいほど最も体制が整い、実績が高いところです。
入院料1・2のところでは、休日もリハビリテーションを行なっています。
1年365日休まずリハビリテーションを受けられる方が、それに耐えられるのであれば患者さんとしてもメリットがより大きいと考えられます。
またリハビリテーションの実績として、日常生活をどの程度自身で行えているかと測る指標があります(リハビリテーション実績指数と言います)。
リンク先の表にあるように、入院料1と3と5ではそれぞれ実績指数が異なり、入院料1の基準が最も高く、入院料5の基準が最も低いです。

ちなみに回復期リハビリテーション入院料は、医療機関のWebサイトの中に書いてあることが多いです。「病院概要」などのページに細かく書かれている中に見つけることが多いので、探してみてください。 また、実際には急性期病院での回復期リハビリテーション病棟探しは医療連携(メディカルソーシャルワーカー)に依頼することが多いと思います。担当の方に気になる回復期リハビリテーション病棟について、積極的に聞いてみましょう。

・回復期リハビリ病棟選びのポイント③ :自身の疾患に対するリハビリの実績があるか
最後のポイントは、ご自身の疾患(病気)に対するリハビリテーションにどのくらい強いか、です。
一般論として、大腿骨近位部(頸部・転子部)骨折や脳卒中は患者数が多く、これらに対するリハビリテーションは多くの回復期リハビリテーション病棟に携わる医療者であればある程度知識や経験があると思われます。

一方で、手足の切断や脊髄損傷はそれほど患者数が多くないため、医療機関によってリハビリテーションの得手不得手が出やすいと考えられます。その中で、切断や脊髄損傷に対するリハビリテーションを非常に専門的に行なっている医療機関もあり、このような患者さんはポイント①②も検討しつつ、専門的にリハビリテーションを行なっている医療機関を選ぶのも良いと考えます。

私自身、リハビリテーション科医として最初に勤務した回復期リハビリテーション病棟は切断の患者さんが多数集まる専門的な医療機関でした。
そこは回復期リハビリテーション入院料は1ではありませんでしたが、その専門性の高さから離れた地域から入院される患者さんもいらっしゃいました。
もちろん医師も療法士も非常に切断のリハビリテーションに対する知識や経験が豊富で、たくさんのことを教わりました。
一方で私がその後赴任した医療機関ではほとんど切断患者さんを診療する機会がなく、医療者としてもその医療機関で勤務できたことは貴重な経験だったと感じました。


いかがでしたでしょうか?今回の記事が、回復期リハビリテーション病棟を選ぶ方のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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