内科からリハビリ科に転科(転職)した理由

皆さんこんにちは。リハビリ科医のあつひろです。

週1回は記事を書こうと思っていたのですが、なかなか思うように書けませんでした。

幸い私の勤務先はコロナの影響はそれほど大きくはなく、リハビリ科としての仕事はむしろ減ってしまっている状態です。

嚥下内視鏡検査という、鼻から細い胃カメラのような管を入れて喉の中(ものを食べる様子)を観察する検査を毎日のようにやっていたのですが、感染の危険があるとのことで1ヶ月以上できていません。 検査が必要な患者さんにできないというのは辛いものです・・


さて、今回は私が内科医からリハビリ科医に変更した経緯や今の思いを書きたいと思います。
私の経歴を以下に並べてみました。 (「○年目」は大学卒業してから○年目、という意味です)

1−2年目 初期研修医

3−4年目 総合内科医

5年目〜 リハビリ科医(現在卒業後7年目 リハビリ科医は3年目)


医師は国家試験に合格し医師免許を取ればどの診療科に進むこともできるのですが、私は学生時代は何科に進みたいか迷っており、初期研修医のときには色々な診療科で研修しました。 その中で、総合内科を研修したときに、それまでとは違うものを感じました。


多くの診療科は呼吸器内科、心臓血管外科、眼科、など、ある特定の臓器を中心にみています。 ただ、医学部の6年間では頭の先から足の先まで、すべての臓器やそこに起こる代表的な病気について学びます。 先輩が〇〇科に進んだ、同級生が〇〇科に誘われている、という話を聞く中で、「せっかく6年かけてたくさん勉強したのに、特定の臓器だけ極めていくのはどうなんだろう?」 と、 「もったいないな・・」という気持ちがありました。
そんな時、研修した総合内科ではあらゆる病気をひとまず総合内科でみる、そして心臓の病気も腸の病気も入院中総合内科の医師が主治医となり、専門的な検査や治療(カテーテル治療など)は心臓や腸の専門科の先生にお願いする、という方式でした。


診療科には内科や外科などたくさんありますが、大学でせっかく習った病気の患者さんをできるだけたくさんみてみたいと思っていたので、 「まずは総合内科に進んでみよう!」と決めました。


実は実家は内科ではない診療科で開業医(クリニック)を経営しているので、その診療科に進んでほしいという意見は多くあったのですが、最終的に家族とも話し合い、やりたいことをやってみることを許してもらいました(本当に親に感謝ですね・・)。

そんな経緯で、初期研修医が終わった後、私は総合内科医として病院で勤務を始めました。 私が勤務していたのは人口が多い地域の急性期病院(急な病気になった人が運ばれてきて、治療を受けるための病院)でしたので、担当する入院患者さんは早ければ数日、長くても3週間程度で退院する方がほとんどでした。

また実は、病院側からも早く退院させるようプレッシャーをかけられていました。 これは多くの急病の患者さんが入院できるようにするという意味と、入院する日数が少ない方が病院の経営としては良いという意味があると思います。


そんな中、足の骨折や脳梗塞の患者さんたちは私の病院を退院した後、「リハビリ病院」に移動していました。 急性期病院でもリハビリはありますが、リハビリ病院に行くともっとじっくりたくさんリハビリができるらしい、と聞き、どんな風にやっているのか、その結果どのくらい回復するのか知りたいと思うようになりました。


また、上に書いた通り急性期病院では毎日運ばれてくる患者さんが入院してくるので、その方達を点滴などで治療することに追われ、ゆっくり患者さんの生活を聞いたりリハビリを見ることはほとんどできませんでした。
「確かにたくさんの病気をみることができるし急性期病院の治療だけでよくなる人もいるけど、それだけでよくならない人のことは自分は何もわかってないな・・・」 と思うようになりました。
少し病気が落ち着いた、でもまだ家に退院できない、という状態の患者さんがどうなっていくのか知りたいと思いました。


そこで、上司の先生から教えてもらったのが「リハビリ科」という科でした。 実は私が内科医として勤務していた病院にはリハビリ科医はいませんでした。 リハビリは内科などの主治医が処方(注文)し、それを受けて理学療法士などがリハビリを始める体制でした。


リハビリ科に行けばリハビリ全般のことを深く勉強でき、リハビリ病院に入院している患者さんをみることができる、と知り、私は内科からリハビリ科医に変更(転職?)を考え始めました。


転職前に、別の病院のリハビリ科医の元で短期間見学と実習をさせていただくことができました。 その病院には広いリハビリ室があり、点滴やチューブなど治療のために体にいろんなものがついた患者さんがいきいきと起き上がる訓練や歩く訓練をしている様子をじっくりみることができました。
また療法士は患者さんの症状をよく聞きながら、身体を触りながら患者さんと近い距離でリハビリをしており、病気や怪我のあとで精神的にもダメージを受けている患者さんにとって心理的にもいいだろうなあと思いました。


リハビリ科医の先生からは、「リハビリ科医の仕事の一つは患者さんの全身を医学的に見て、リハビリでどこまで負担をかけて良いか、安全に行うためにはどうしたら良いかを決めること。内科をやってきた先生にはぴったりだね!」と言われました。 リハビリの内容について扱うだけでなく、患者さんの身体や心にもじっくり向き合って考えられるのはいい!と思い、リハビリ科に転職することに決めました。

以上、長くなりましたが私の転職した経緯について書きました。

この判断は今でも間違っていなかったと思います。

そしてもう一つリハビリ科に転職した理由はあるのですが、それについてはまた今度書きます。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。 よろしければTwitterでフォロー、コメントなどいただけると嬉しいです。

コメント (2)
  • お医者さんの世界の方と私的なお話したことはありませんので、どのようなことを考えて過ごされているのか、とても興味があります。リハビリ科って希望があって、他の科よりも、明るく働けそうですね。

    • コメントありがとうございます。
      医師は大学医学部での教育は共通ですが、卒業後は診療科や研究分野によって仕事の内容も大きく違うので、考え方も幅広いのかなと思います。
      私の勤めるリハビリ科は確かに回復する患者さんをみることが多いので、明るい雰囲気の場所ではあると思います。
      一方で中には回復が思わしくない患者さんもいるので、そうした方をどうフォローするかも悩んでいたりします。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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